戦前のロールス・ロイスの技術的な頂点
歴史を振り返ると、今回ご紹介するファントムIIIは、第二次大戦前のロールス・ロイスにおける技術的な頂点にあったことがわかる。高級車をリードするというブランドの立場は揺らいでいたが、新しい基準を打ち立てたモデルといえた。
【画像】手のかかる最高の高級車 ロールス・ロイス・ファントムIII 同時期のモデルと写真で比較 全136枚
ただし、その実現には小さくない犠牲も伴った。卓越した内容を追求した結果、コストは増大し、過剰なほどメカニズムは複雑になっていた。特に初期型では信頼性が充分とはいえず、頻繁なメンテナンスも求められた。
1936年から39年に生産されたのは715台で、多く売れたとはいえなかった。
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